最近サボリ気味なんですが、私、○○学○大学ボクシング部コーチなんです。
今だ強いです(汚い手を一杯使うから

そんな僕の一番好きなボクサーは、モハメド・アリです。
アリ伝説は映画になったり本になったりでご存じの方も多いでしょう。
だから僕は、アリのボクシング技術について書いてみたいと思います。

ボクシングの基本からいうと、アリのスタイルは決して褒められたものではありません。
足が突っ立って、所謂手打ちにしか見えません。
でもスタンスを狭く保つことで、身体を独楽のように回転させ、
その回転に自分の全体重を乗せることで、強烈な右ストレートを放っていたんですねえ。

「蝶のように舞い、蜂のようにさす。」
という有名なアリの言葉ですが、蜂のようにさす、んでは無く
その右はバズーガ砲のような、相手を吹っ飛ばす威力があった筈です。
リーチが長い、という特性を生かし切ったアリの打ち方です。

フックやアッパーは、身体の回転をそのまま拳に伝えるから
見ていて如何にも威力ありげに見えるけど、
ストレートは真っ直ぐに延びるから、さほど威力があるようには見えません。
でもね、打たれる方にすると、真正面から来るパンチは一番見えづらいし、
正面からアゴを打ち抜かれるのが、一番脳震盪を起こしやすいんです。

一見美しく見えるアリのパンチは、実はえげつない威力を秘めてるんですよ。
伝説に彩られ、文化人、偉人として語られるアリですが、
一ボクサーとしての彼の凄みを、僕は語りたかったんですねえ